実店舗経営をする経営者の頭を悩ませる、多様化する決済方法。
特に今、注目を集めているのがPayPayをはじめとするQRコード決済です。
皆さんがご存じの通り、数あるQRコード支払いの中でもダントツにPayPayが、多くの消費者に利用されており、導入を検討する店舗オーナーも増えています。
いきなりキャッシュレス決済を導入するのは少し不安なお店の方は、まずはPayPayから始めることをおすすめします。
けど、PayPayの決済方法や導入方法、気になる決済手数料など、分からないことも多いのではないでしょうか。
本記事では、個人事業主や中小企業オーナーの方向けに、PayPayの導入メリットやセキュリティ面での特徴、そして導入時に知っておくべきポイントを詳しく解説します。
PayPay導入でトラブルに見舞われないために、事前に知っておくべき基本情報を見ていきましょう。
PayPay QRコード決済とは?基本的な仕組みを解説
PayPayのQRコード決済は、スマートフォンを使って支払いができる便利なキャッシュレス決済方法です。

現金やクレジットカードを持ち歩く必要がなく、スマホ一つで簡単に支払いができるため、多くの消費者に利用されています。
PayPayは2018年にサービスを開始して以来、ユーザー数を急速に伸ばし、
- 2024年12月には6,700万人を超える登録ユーザーを獲得
- 2021年度のPayPayによる決済総額5.4兆円
特に若い世代を中心に普及が進み、小規模店舗から大型チェーン店まで幅広く導入されています。
PayPay QRコード支払いの仕組み
PayPayのQRコード支払いは、店舗側が表示したQRコードをお客様がスキャンして支払う方法です。
決済情報はクラウド上で処理され、店舗の売上はあらかじめ登録した銀行口座に振り込まれる仕組みになっています。
PayPay QRコード決済5つのメリット
PayPayのQRコード決済を導入することで期待できる5つのメリット。
- 新規顧客が開拓できる
- レジ業務がスムーズになる
- 専用端末不要で導入できる
- 金銭管理の負担が軽減する
- 入金サイクルが早い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①新規顧客の開拓に期待
PayPay導入により、新しい客層を店舗に呼び込むことができます。
特に若年層や都市部の顧客は、キャッシュレス決済を好む傾向が強く、PayPayを使える店舗はそういった客層にマッチします。
非常にお客様側の使用率も多いため、PayPayのステッカーを玄関に貼ることで集客に繋がったとオーナー様からの声は頻繁に聞きました。
もちろんお店の雰囲気によってはステッカーを貼れないお店もあるかと思いますが、そういった場合は、集客するサイトの決済方法にPayPayと記載するだけでも新規の獲得につながる可能性もございます。
また、PayPayアプリの「近くのお店」機能に表示されることで、これまで来店したことのなかった顧客層への認知度向上も期待できます。
②レジ業務がスムーズに
PayPay決済の導入により、レジ業務の効率化が図れます。
現金の受け渡しや釣銭計算が不要になるため、レジでの会計時間が大幅に短縮できるでしょう。
例えば、飲食店では回転率の向上、小売店ではレジ待ち解消による顧客満足度アップが実現できます。
レジスタッフの負担軽減と顧客体験の向上を同時に実現したい店舗には、特におすすめの決済方法です。
③専用端末不要で導入可能
専用の決済端末が必要ないのは、PayPayの大きな魅力といえるでしょう。
スマートフォンやタブレットがあれば、無料のアプリをダウンロードするだけで決済システムを導入できます。
初期投資費用を抑えられるため、特に小規模店舗や個人事業主にとって参入障壁が低いのが特徴です。
すでに持っているデバイスを活用できるため、新たな設備投資を考えている店舗は、まずPayPayの導入から検討してみてはいかがでしょうか。
④金銭管理の負担が軽減
現金取り扱い業務の削減は、店舗運営の大きな負担軽減につながります。
レジ締め作業の簡略化、現金の紛失リスク低減、銀行への入金作業の削減など、バックオフィス業務の効率化が図れます。
特に夜間営業の店舗では、現金管理に関わる防犯上のリスクも軽減されるメリットがあります。
日々の現金管理業務に時間を取られている店舗は、PayPay導入による業務効率化を検討する価値があるでしょう。
⑤入金サイクルが早い
PayPayの入金サイクルは基本的に月に1回、毎月1日に入金されます。
すぐに入金してほしい場合には、PayPay for Businessから「早期振込サービス」から振り込み申請をすればPayPay銀行の場合は翌日入金が可能です。
そのほかの金融機関でも、翌々営業日に入金されるため資金繰りの改善につながるでしょう。
仕入れサイクルに合わせた入金スケジュールを設定することで、効率的な資金運用が可能になります。
PayPay QRコード決済5つのデメリット
さまざまなメリットがあるPayPayのQRコード決済ですが、デメリットも存在します。
- 決済手数料が発生する
- 通信環境に依存してしまう
- セキュリティ上のリスクがある
- ユーザースキャン方式であること
- お店に設置したQRコードがすり替えられるリスクがある
導入前に知っておきたい懸念点を、整理しておきましょう。
①決済手数料が発生
PayPay導入の最大のデメリットは、少なからず売上に対して決済手数料が発生することです。
PayPayマイストア ライトプラン加入 | 1.60% |
無料プラン | 1.98% |
特に薄利多売のビジネスモデルの場合、手数料分のコスト増加をどう吸収するかが課題となります。
②通信環境に依存
こちらはPayPayだけには限らないことですが、PayPay決済はお客様のスマホの通信状況に依存するため、通信環境が悪い場合、決済不能につながるリスクがあります。
特に地方や山間部など通信環境が不安定な地域では、決済処理に時間がかかったり、エラーが発生したりする頻度が高くなる傾向があります。
このようなリスクに備えて、店舗内Wi-Fi環境の整備が推奨されます。
③セキュリティ上のリスク
デジタル決済特有のセキュリティリスクが存在することを理解しておく必要があります。
不正アクセスによる情報漏洩や、なりすまし決済などのリスクは完全には排除できません。
さらに、店舗スタッフの操作ミスによる二重決済や、返金処理の複雑さなど、運用面での課題も存在します。
こういったリスクを軽減するためには、スタッフへの適切な研修や、PayPayが提供するセキュリティガイドラインの徹底が重要です。
④ユーザースキャン方式であること
通常、決済端末機がある決済方式の場合、お店側で金額を入力し、お客様に金額を確認をしていいただき決済する方式となりますが、
PayPay(US)はユーザースキャン方式となっており、お客様のスマホからQRコードを読み取り、お客様が金額を入力をし店舗のスタッフが確認する仕組みとなっております。
ごく稀に、よくある事例が居酒屋さん等で、かなり酔っ払いの方が金額を誤って入力し、レジ担当の方もお店が忙しく確認を曖昧にしたことにより、会計ミスがおこった事例がございます。
⑤お店に設置したQRコードがすり替えられるリスクがある
以前お店を回っていた際に、PayPayからの入金がされないというお声をオーナー様から聞いたことがあり、原因はQRコードがすり替えられていたというお声もございました。
こういった事例は本当に少ない事例かとは思いますが、導入するにあたり、こういったリスク等もあるいうことは知っておいた方がいいでしょう。
PayPay QRコード決済のプランを解説
PayPayのQRコード決済には、店舗のニーズに合わせて選べる複数のプランが用意されています
プラン選びは導入コストや機能面で大きく影響するため、事前にしっかり比較検討することが重要です。
ここでは、主な2つのプラン「制限プラン」と「PayPayマイストア ライトプラン」について詳しく解説します。
制限プラン
PayPayの制限プランは、初期費用も月額費用も一切かかりません。
基本的な決済機能はすべて利用可能で、決済手数料のみの支払いでサービスを利用できるため、小規模店舗や個人事業主にも導入しやすいのが魅力です。
制限プランの主な特徴
項目 | 内容 |
---|---|
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 0円 |
決済手数料 | 1.98% |
必要機材 | スマートフォンまたはタブレット |
集客機能 | なし |
有料プラン「PayPayマイストア ライトプラン」
PayPayマイストア ライトプランは、月額1,980円(税込)で利用できる有料プランです。
無料プランの基本機能に加え、店舗のプロモーションや顧客管理に役立つ機能が追加されています。
売上拡大や顧客リピート率向上を目指す店舗にとって、投資効果の高いプランといえるでしょう。
PayPayマイストア ライトプランの主な機能
項目 | 内容 |
---|---|
初期費用 | 1,980円 |
月額費用 | 1,980円 |
決済手数料 | 1.6% |
必要機材 | スマートフォンまたはタブレット |
集客機能 | クーポン、スタンプカード |
PayPayマイストア ライトプランの大きな特徴は、1.6%という破格の決済手数料と集客機能です。
特に、リピーター獲得に注力したい飲食店や美容室などのサービス業では、クーポン配信機能や来店ポイント機能が売上アップに直結します。
顧客とのコミュニケーション強化や販促活動の効率化を図りたい店舗は、初期投資を抑えつつ機能を拡張できる「PayPayマイストア ライトプラン」の導入を検討してみましょう。
PayPay QRコード決済の決済手数料とは?
PayPayのQRコード決済を導入する際に、最も気になるのが決済手数料です。
売上に対して一定割合が手数料として発生するため、利益計算に直接影響します。
この手数料は支払い方法や店舗の契約プランによって異なるため、事前に詳しく理解しておくことが重要です。
決済手数料は1.6%or1.98%
PayPayの決済手数料は、契約内容によって1.6%(税別)または1.98%(税別)のいずれかが適用されます。
【決済手数料のプラン】
- 決済手数料:1.98%(税別)
- 月額利用料:無料
- 決済手数料:1.6%(税別)
- 月額利用料:1,980円(税別)
決済手数料の適用条件
- PayPayマイストア ライトプランを契約した場合、すべての加盟店で同じプランを利用する必要がある
- 申し込んだ店舗数に応じて利用料金が発生する
- 決済手数料は、毎月の請求は月初に行われる
決済手数料を安くする方法
PayPayの決済手数料を抑える方法はいくつかあります。
1. ライトプランを契約する
「PayPayマイストア ライトプラン」では、決済手数料が1.6%(税別)と比較的低く設定されています。
ただし、月額利用料1,980円(税別)が必要なので、取引額や利用頻度によってはコスト削減につながるか計算するのがおすすめです。
2. キャンペーンを活用
PayPayは定期的に加盟店向けの手数料優遇キャンペーンを実施することがあります。
新規加盟店向けの手数料無料キャンペーンなどもあるため、タイミングを見て申し込むとお得に導入できます。
3. 売上規模に応じた契約を選択
売上が一定以上ある場合は、ライトプランの方が手数料率が低くなるため、事前にシミュレーションしておくと良いでしょう。
PayPay QRコード決済の導入方法を解説
PayPayのQRコード決済の導入は、思っている以上に簡単に始められます。
手続きはオンラインで完結し、特別な知識がなくても数日で利用開始できるのが特徴です。
これから解説する4つのステップに沿って進めれば、スムーズにPayPay決済を店舗に導入することができます。
1. 申し込み
公式サイトから申し込む
PayPayの公式加盟店ページにアクセスし、新規加盟店登録を行います。
必要事項(店舗名、所在地、連絡先、業種など)を入力して申し込みを完了させます。
必要書類の提出
- 法人の場合:登記簿謄本(履歴事項全部証明書)や代表者の本人確認書類
- 個人事業主の場合:運転免許証、パスポートなどの本人確認書類
- 銀行口座情報(売上入金の振込先として登録)
2. 加盟店審査
申し込み後、PayPay側で加盟店審査が行われます。
審査期間は通常3日〜1週間程度(業種によっては時間がかかる場合もあり)で、審査結果はメールで通知されます。
3. 店舗用QRコードの受け取り
審査に通過すると、PayPayから専用のQRコードキット(スターターキット)が送付されます。
レジ付近などお客様がスキャンしやすい場所に設置しましょう。
4. 決済の準備
PayPay for Business(管理ツール)の設定
加盟店専用の管理ツール「PayPay for Business」にログインし、売上管理や入金設定を行います。
PayPay for Businessでは、入金スケジュールの確認や売上レポートのダウンロードも可能です。
QRコードを設置したら、実際に決済できるかテストしておくと安心です。また告知用に、「PayPay使えます」のポスターやシールを貼ると、利用促進につながるでしょう。
PayPay QRコード決済と他のキャッシュレス決済との比較
PayPayは他のキャッシュレス決済サービスと比較して、いくつかの特徴があります。
選択する際には、手数料率、普及率、導入コスト、入金サイクルなどを総合的に検討することが大切です。
特に店舗の規模や業種によって最適な決済サービスは異なるため、比較検討は慎重に行いましょう。
決済サービス | 決済手数料率 | 初期費用 | 月額費用 | 入金サイクル |
---|---|---|---|---|
PayPay | 1.60~1.98% | 無料/1,980円 | 無料/1,980円 | 月1回、早期振込サービス |
d払い | 2.6% | 無料 | 無料 | 月1回or2回 |
楽天ペイ | 3.24% | 無料 | 無料 | 翌日自動入金、月1回自動入金、月2回自動入金 |
au PAY | 2.6% | 無料 | 無料 | 月1回、月2回、早期振込サービス |
メルペイ | 2.6% | 無料 | 無料 | 月1~2回 |
手数料率だけを見るとPayPayが最も低く設定されており、特に小規模店舗には優位性があります。。
多くの店舗では複数の決済サービスを併用することで、より多くの顧客ニーズに対応しています。
自店の客層や売上規模、扱う商品の特性に合わせて、最適な決済サービスの組み合わせを検討してみましょう。
よくあるご質問
PayPayが受付できない業種とは?
一部受付ができない業種もございます。
出典:PayPay公式サイト
契約期間の縛りはある?
契約期間の縛り等はございません。解約金等もございません。
複数店舗の申し込みは可能?
同じ屋号・同じ販売形態の店舗であれば、複数の店舗を一度にお申込み可能です。
移動販売やキッチンカーでも導入はできますか?
移動販売やキッチンカーでも導入は可能です。
どのくらいで利用ができますか?
PayPayの審査完了から約1週間程度でご利用いただけます。
まとめ:PayPay QRコード決済でビジネスチャンスを広げよう
低単価のメニューを取り扱っている業種の方に向いております。PayPayをご利用する側からすれば、ほとんどの方は10万もチャージされていないかと思います。
高単価の業種の方。1度の決済額が多くなればなるほど、PayPayではなくクレジットカードで支払いを済ます方が多いため。
PayPayのQRコード決済は、低コストで導入できる手軽さと、豊富なユーザー基盤を持つ点で、多くの店舗にとって魅力的な選択肢となっています。
決済の効率化による顧客満足度向上はもちろん、キャンペーンを活用した集客効果や、現金管理の手間削減によるスタッフの業務効率化など、様々なメリットがあります。
一方で、手数料負担や通信環境への依存といったデメリットも理解した上で、自店の状況に合ったプランを選ぶことが重要です。
特に小規模店舗では、初期投資を抑えられるライトプランから始めて、徐々に拡大していくアプローチも検討価値があります。
キャッシュレス化が進む現代社会において、PayPayのQRコード決済の導入は、新たな顧客層の獲得や売上拡大につながる重要な戦略の一つとなるでしょう。
キャッシュレス決済の導入が初めての方は、まずはお客様がよくご利用されるPayPayから始めてみることをおすすめします。
出典:PayPay公式サイト
高単価なメニューの多い業種の方は、クレジットカードで決済ができる端末機がおすすめです。気になる方は、下記を参考にしてみてください。
